LDの定義について、今回は米国版です。日本においても、この米国版の定義を教育や言語指導のフィールドに導入しています。
米国版の方は、American Psychiatric Association の DSM-5 において定義がなされています。
英国版と同じく、SLD ( specific learning disorders )という1つの語のもとに複数の異なる困難がまとめられています。
SLD
SLDは次の3つの障害のサブグループを含んでいる。
①読むスキルの乏しさをともなう限局的な学習障害
②書くスキル
③算数
①の読むスキルに関わるSLDが英国版のSpLDの定義に含まれているディスレクシアと部分的に対応しており、③の算数に関するSLDがディスカリキュリアと対応しています。
②の書くスキルに関わるSLDはスペリングの正確性、文法・用語法の正確性、明確に構成された文章を書けるかといった内容になります。こちらと対応するようなものは英国版ではあがっていません。スペリングに関わるさまざまな困難はじょじょにディスレクシアに包含されてきています。
また、英国版と比較すると、こちらのDSM-5によるリストにおいてはADHDが見当たらなくなりました。DSM-5においては、ADHDは神経発達の障害に分類されています。ASD(自閉症スペクトラム)も同じく神経発達の障害に分類されます。