2012年に、ある本に出会いました。
当時の生徒さんの一人が発達障害をもっていたのですが、その生徒さんの授業がなかなかうまくいかず、悩んでいたのです。何か糸口はないかと今はなきジュンク堂新宿店でその分野の書棚でこの本を見つけました。この本を読み進めていくにつれ、本の中で紹介されている教授法と評価法(学習者の能力を評価する方法)とをもっと良く知らねばと思わされたのです。
「これはあの生徒さんのみならず、全ての生徒さんに使えるぞ!」と。
人は誰でも得意と不得意がありますね.
私たちは,それでいいと思っています.その凸凹がその人の個性になります.
しかし....
もし,凹んでいるところが底上げされたら,得意なこと(凸のところ)との相乗効果で人生がさらに豊かになるのではないでしょうか? 今まであきらめていたことが,できるようになるのではないでしょうか?新たな可能性が広がるのではないでしょうか?
確かに、一部の専門家は言います.
「人間の知的能力はある歳を超えると固定化されてもう発達しない」と.しかし、そうでしょうか? もしそうであれば,人がいくつになっても勉強を続ける意味など、ないのではないでしょうか?
そんなことはありません.
最新の脳科学は人間の脳の驚くべき可塑性を発見し続けています. そしてイスラエルの認知心理学者である故フォイヤーシュタイン教授は言います.「人間はいくつになっても変容可能だ」と. 私たちは,専門的な知識と長年の経験から「変容」への挑戦のお手伝いができます.
一つの考え方として,苦手な機能をIT機器などで代替するという考え方があります.つまり苦手な機能をバイパスするわけですね.たとえば,書字障害があるお子さんには,無理に手書きさせようとしないでPCやポメラを使ってタイプさせるという考え方です.もう一つは「全く手書きできないのは将来困るから,今から訓練させよう」という考え方もあります.どちらの考え方が正しいのか?
様々なケースがあると思います. 私たちが少なくともいえるのは課題を細かく分けて,それぞれ別々に子供にということです.
たとえば,作文という課題を書字障害のあるお子さんに無理に手書きさせるのは合理性がないと考えます.なぜなら,そのお子さんはその課題で二つの難しい課題を同時にしなければならないからです.
の二つです.書字障害のあるお子さんは,後者よりはむしろ前者の方が大変でしょう. であれば,後者の「言葉にする」という課題は代替機器を使った方が効率よく伸ばせます. 必要に応じて,またニーズに応じて,「手書き」に特化した訓練を,別にすればいいと思います. なにも一度に二つのことをする必要はありませんし,効率が悪くなります.二兎を追う者は一兎をも得ずです.
私たちは長年マンツーマンで教育をしてきたプロです.
仕事に対する責任感
豊富な進路情報
もちろんのこと,
発達障害を持っているか否かを問わず,いろいろな生徒さんを
何人も何年にもわたって
見てきました.だから..
生徒さんに対する観察力,分析力がちがあります.
指導中の集中力がちがいます.
発達障害にとらわれずに広い視野で生徒さんを見ることができます.
私たちは2006年から発達障害・学習障害をもった方への学習支援を行っております.
日々,
生徒さんとの考え方の違いに新鮮さを感じたり,
しばしば,生徒さんの驚くべき能力にびっくりしたり,
「結構自分も自閉症スペクトラムが高いかもしれないな」と思ってみたり,
しています. 発達障害にであって以来,「人間の知性の神秘に触れているな」というのが偽らざる感想です.
アスペルガー症候群
広汎性発達障害
AD/HD
強迫障害
読み書き障害や計算障害などのLD
軽度知的障害
場面緘黙(ばめんかんもく.発達障害ではないですが,学習の困難さの一要因として挙げました.)
などを持った方々がいらっしゃいます.
国内,国外を問わず,私たちはフォイヤーシュタインのFIE,ブレインジムのワークショップに積極的に参加して参りました.これからも先進的な教育メソッドを貪欲に吸収して参ります.
教師仲間による社内勉強会を通して発達障害への理解を深める努力をしております. この勉強会で
生徒さんのものの考え方やコミュニケーションの取り方
効果的に教えるにはどうすればよいか
などの研究を行います.
私たちは, 発達障害のシンポジウムや講演会へは時間が許す限り参加しようと努めております. 発達障害に理解がある学校の説明会などは積極的に参加しております. また,御家庭が持つ生の情報をできるだけ吸収しようと心がけております.
さらに専門性を高めるため,私たちは様々な資格の取得を目指しております.現在は竹下が特別支援教育士の資格取得に挑戦中です.